「販売費」とは、商品や製品の販売業務にともなって発生する費用(営業取引の費用)をいい、「一般管理費」とは業務全般の一般管理業務にともない発生する費用(本社業務の費用)をいいます。
前者は営業取引の費用、後者は本社業務の費用(売上原価以外の費用)と言えます。
販売費と一般管理費は、それぞれ区別された方がいいのですが、実務上、その区別は難しいです。
そうした事情から、損益計算書では「販売費及び一般管理費」としてまとめられています。
販売費及び一般管理費は、費用が発生した事業年度に計上されなければいけません。
細かくいうと、販売費及び一般管理費の費用のうち、売上に対応しているか明確にわかる費用は、その売上を計上する事業年度の費用とするべきとされています。
しかし、費用収益対応の原則にしたがって、売上とそれに対応する費用を、個別に対応させて実際に計算しても、すべてを期間費用として計算したときとでは、実はそんなに大きく変わりません。
こういったことから、販売費及び一般管理費は発生した期間の費用(期間費用)とされています。
財務諸表規則などの会計諸規則では、資産や負債のように具体的な科目名を詳細に示していません。
販売費及び一般管理費に関する科目の設定は、企業ごとの判断で適当な費目に分類すればいいことになっています。
その理由は、会社それぞれの実態や業種によって、費目を一律に規定できないからです。
ただし、科目設定について、まったく目安がないということではありません。
財務諸表規則と日本工業規格(JIS)原案勘定科目コードに科目の例示があります。
ただし、それほど厳格ではありません。
しかしながら、会社内で経営管理をおこなうためには、継続的に一定の科目を適用することが重要です。
そうでなければ、経理するたびに入力科目がばらばらになるので、経理計数を予算・実績対比などでは参考にならない可能性があります。
こうなると、せっかく経理しても経営管理では使えない経理になってしまいます。