売上高は、主たる営業取引である商品や製品の販売、役務やサービスの提供から得られる収入を処理するために使います。
メーカー、卸売業、小売業、サービス業など、どのような事業形態でも、有形・無形の商品や製品、サービスを販売して売上を得ることによって、会社が事業を継続できます。
会社の主たる営業取引である本業は、定款に定められた目的に記載されている項目になります。
したがって、売上高に計上されるのは、本業の売上が計上されていきます。
定款の目的はら外れるような収入は、営業外利益や特別利益に計上されます。
また、売上高に計上する売上は、会社外の取引先に対するものに限られますので、会社内の本店や支店などの内部取引から発生する収入は、売上高に計上できません。
売上高は、どの時点で収益として計上するか(認識基準)によって会社の利益を大きく左右します。
そして、売上高の計上基準は、決算において大きな問題になります。
一般的に、商品などの販売から代金回収までは、次のような流れになります。
受注 → 出庫 → 発送 → 納品 → 検収 → 請求 → 入金
原則として実現主義によって売上高を計上します。
実現主義とは、商品やサービスの対価である売掛金や現金を受け取ること(債権)が確定した時点で収益を計上する基準です。
しかし、実現主義といっても取引形態によっては、具体的にどのタイミングで売上が実現したとするかについて、さまざまな考え方があります。
売上高の計上基準には、次のような基準があります。
売上高の計上基準に関する種類
販売基準 |
契約効力発生基準 |
販売基準(引渡基準) |
その他の基準 |
発生基準(生産基準、収穫基準など) |
回収基準 |
割賦基準、延払基準 |
現金基準 |
上記の中で一般的なものは、販売基準(引渡基準)です。売上計上の具体的なタイミングは、商品や製品であれば販売されたとき、役務やサービスの提供であれば、提供が完了したときです。
販売基準の中で、いくつか基準がありますが、そのうちのどの基準で計上したとしても、合理的かつ継続的に適用されていれば問題ありません。
販売基準の中でも次のような基準があります。
- ・引渡基準(商品などを納品、請求した時点)
- ・出荷基準(商品などを出荷した時点)
- ・納品基準
- ・検収基準(得意先が検収した時点)
- ・取付完了基準(据付完了基準)
- ・役務完了基準
- ・船積、貨車積基準