新車を購入すると会社の固定資産として帳簿に記帳します。
普通車であれば、耐用年数は6年なので、購入金額を6年間に分割して経費を計上し、経理していきます。
この経理処理を減価償却といいます。
簡単に言ってしまうと、300万円の車を買ったとしたら、6年間にわたって毎年50万円ずつ、経費計上するということです。
減価償却費 = 購入金額 ÷ 耐用年数
50万円 = 300万円 ÷ 6年
ところが、中古車、それも4年落ち以上の中古車であれば、新車よりも耐用年数がぐっと短くなって、1年間で経費に計上できてしまうのです。
中古車の耐用年数は次のようになっています。
経過年数 |
耐用年数 |
1年 |
5年 |
2年 |
4年 |
3年 |
3年 |
4年 |
2年 |
5年 |
2年 |
6年以上 |
2年 |
耐用年数2年となっていますが、定率法で減価償却する場合、耐用年数2年の償却率は、100%となっていますので、1年間で全額経費計上できることになります。
つまり、先ほどの300万円の新車では、1年間に50万円の経費計上が限界でしたが、300万円の中古車だと1年間に300万円の経費計上ができるのです。
ただし、購入時期には注意が必要です。というのは、減価償却費として計上できるのは、使った月数分になるからです。
つまり、月割りで経費を計算するのです。たとえば、期首に300万円の中古車(4年落ち以上)を購入したのであれば、12か月間使用することになるので、300万円となります。
減価償却費 = 購入金額 × 償却率 × 使った月数 ÷ 12か月
300万円 = 300万円 × 100% × 12か月 ÷ 12か月
では、期末月(12ヶ月目)に購入したときはどうなるでしょうか。
その事業年度で車を使用した期間は1か月ということになります。つまり、300万円×1/12=25万円ということになり、25万円だけしか経費に計上できません。
減価償却費 = 購入金額 × 償却率 × 使った月数 ÷ 12か月
25万円 = 300万円 × 100% × 1か月 ÷ 12か月
もちろん、残額は翌期に経費計上できるのですが、今期に経費計上したいのであれば、購入時期に注意する必要があります。
ベンツのような高級車の中古車(4年落ち以上)を購入すれば、より大きい金額を経費計上できて節税対策に使えますし、資金繰りでも役立ちます。
資金繰りで役立つというのは、ローンを組んで購入した場合です。
5年ローンであれば、購入代金は5年間に分割して支払うことになりますが、経費は1年間で計上できてしまうのです。
たとえば、1,000万円の中古ベンツを5年ローンで購入したとするとこうなります。
支払 → 1年間に200万円を5年かけて支払う
経費 → 1年間で1,000万円を経費計上
節税対策で役立つアイテムですが、お金も当然出て行きます。
節税対策をしすぎて現金がなくなってしまった、なんてことのないようにくれぐれも注意してください。