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会社を経営するうえでさまざまな支払いが発生しますが、忘れてはならないものが法人ならではなの法人事業税です。
ここでは法人事業税の解説や計算方法だけでなく、法人企業が支払う類似した税金について紹介します。これから法人を設立しようとしている方や、税務を担当する方は正しく理解しておきましょう。
1.法人事業税とは
法人事業税は、会社が事業をおこなっている事務所や事業所が所在する都道府県が、法人のおこなう事業に対して課税する税金で、法人の所得に対して課税されるようになっています。
申告・納税するときは、都税事務所宛に法人都民税とともに申告して納付します。
申告・納付した法人事業税は、税金ですが損金に算入できます。
理由は、会社が営業活動をおこなう中で、行政から受けるサービスの対価といった意味合いの税金だからです。
損金算入の時期は、法人事業税の確定申告書を提出した日が属する年度です。
資本金1億円超の会社と資本金1億円以下の会社では、法人事業税の算出方法が変わりますので注意してください。
2.法人事業税と法人税の違い
法人事業税は会社の所得に課税される地方税と前述しましたが、類似した税金に法人税があります。
法人税は法人所得税とも呼ばれ、法人事業税と同様に会社の所得に対し、課税される税金です。
法人事業税(地方税)とは別の税金(国税)となるため、混同しないようにしましょう。
また、法人事業税と法人税は法人税等にあたり、この法人税等には法人住民税というもう1つの税金が含まれます。これらの関係性としては以下の表のとおりです。
▼法人税等
- ・法人事業税(地方税)
会社の所得に対して課税される税金
- ・法人税(国税)
会社の所得に対して課税される税金
- ・法人住民税(地方税)
法人税を元に算出される税金
3.法人事業税の計算
法人事業税は、資本金1億円超の会社と資本金1億円以下の会社では、法人事業税の算出方法が異なります。
ここでは、資本金1億円以下の会社についてご紹介します。
法人事業税の税金計算のもと(課税標準)は「所得」で、法人税の計算上の所得と同じになります。
所得は、損益計算書の当期純利益に申告調整を加えて算出します。
税額は、算出された所得に税率を乗じて算出します。
法人事業税の計算式と税率は次のとおりです。
法人事業税額 = 所得 × 法人事業税率
なお、資本金が1億円以上の会社については、上記の他、付加価値割と所得割が法人事業税に加算され、一般的に外形標準課税と呼びます。
3-1.地方法人特別税
地方法人特別税は、平成20年の税制改正により、平成20年10月1日以後、開始した事業年度から導入されました。
法人事業税を申告・納付する義務のある法人は、地方法人特別税についても申告納付しなければいけません。
法人事業税の税率を引き下げて、その引き下げた部分を地方法人特別税として徴収していますので、法人事業税と地方法人特別税を合わせた税額は、従来の法人事業税と同じ金額になります。
そして、その徴収した部分を各都道府県に再配分することによって、地方税収の偏りを是正しています。
3-2.所得1,200万円時の法人事業税
法人事業税の具体的な計算例として、事務所が都内に1か所で、所得1,200万円のときの法人事業税額は次のように計算されます。
- ①所得400万円以下の部分
4,000,000円 × 2.7% = 108,000円
- ②所得400万円超800万円以下の部分
4,000,000円 × 4.0% = 160,000円
- ③所得800万円超の部分
4,000,000円 × 5.3% = 212,000円
- ④地方法人特別税(百円未満切捨)
(108,000円 + 160,000円 + 212,000円 ) × 81% = 388,800円
法人事業税額( ① + ② + ③ + ④ ) = 868,800円
まとめ
法人事業税をはじめとした法人税等について紹介しました。
会社を経営することににも税金がかかります。正しく理解し、納税を怠ることのないようにしましょう。
また、納税自体は会社がおこなわなければなりませんが、税務申告に向けた経理処理は外部へ依頼することができます。
状況に合わせて記帳代行や経理代行のサービスを利用してもよいでしょう。
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