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決算書とは?基礎知識から役割・作成方法まで徹底解説

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決算とは、企業の決算月までの1年間の収支をまとめる作業であり、それらを数字にして記載した書類を決算書と言います。

決算書には企業の資金調達の手段や日々の営業活動、投資活動などを表すあらゆる数字が記載されており、経営状況を判断する指針としての役割を果たしています。

今回は、決算書作成の流れについて解説します。決算書の作成方法が分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

1.決算書とは

決算書とは、企業の1年間の経営状況や財務状態を数字で表した書類のことです。
税務署に提出される場合は「決算報告書」と呼ばれて区別されています。

確定申告が義務付けられていることから、事業年度が終了する決算日の翌日から2ヶ月以内の期間は決算書の作成に時間を費やすこととなります。
決算時期はいつ設定してもいい定めになっていますが、多くの企業が3月末に決算を行っています。
決算後、5月末までに決算書を作成し、6月の株主総会で報告を行なう企業が多いです。
決算書の中で特に重要な書類が、貸借対照表と損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つです。
これらの書類は財務3表と呼ばれており、これらを分析することでその企業の経営状況を把握できる重要な書類となります。ここではこの3つの書類を解説します。

1-1.貸借対照表

貸借対照表とは、企業の財務状況を見るために作られる書類です。
貸借対照表は資産の部と負債の部、純資産の部の3つに分けて作られます。

  • ●資産の部・・・会社が保有する財産(現金や有価証券、土地や建物など)
  • ●負債の部・・・会社の借金(手形や借入金、未払金など)
  • ●純資産の部・・・会社の自己資本(資本金、利益剰余金など)

貸借対照表の左側には資産の部が示され、右側には負債の部と純資産の部が示されています。
左と右の数字は常にイコールの関係でバランスが取れている状態であるため、貸借対照表のことを「バランスシート」といいます。
実務上では「ビーエス(BS)」と省略して呼ばれています。

1-2.損益計算書

損益計算書は、収益から費用を差し引いた企業の利益を把握するために作られる書類です。
企業の純粋な利益が算出されているため、一定期間の企業の経営成績を知ることができます。
企業の利益は以下の5つに細分化されています。

  • ●売上純利益
  • ●営業利益
  • ●経常利益
  • ●税引前当期純利益
  • ●当期純利益

損益計算書に記載された各利益の金額や割合、推移などを分析することで、現在企業が抱えている問題がどこにあるのか掴むことが可能となります。

1-3.キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、会計期間における企業のお金の流れを数字で示した会計書類です。
損益計算書において生じる入出金のズレを解消し、正確なお金の流れを把握する際に活用されます。
キャッシュフロー計算書において入出金は、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに区分して表示されています。

2.決算書の役割

決算書を見ると企業の経営状態や財務状況を正確に把握できるため、経営者自身が企業の状態を確認する際だけでなく、企業外部の第3者が特定の企業の経営状況を判断する際にも活用されています。
決算書の作成には、主に次の3つの目的があります。

  • ●株主への報告
  • ●税金申告
  • ●融資審査

以下具体的に解説します。

2-1.株主への報告

株主総会で経営陣が株主に対して企業の業績を報告する際、その内容を裏付ける資料として決算書を利用します。
株主総会は事業年度の終了から3ヶ月以内に開催しなければならないため、その期間内に決算書を作成する必要があります。

2-2.税金申告

法人は、事業年度が終わると法人税の確定申告が法律上義務付けられています。
確定申告では決算報告書をはじめ、勘定科目内訳明細書、法人税申告書を提出必要があるため、これらを事前に作成しなければなりません。
税金の申告は法人経営における重要な行為であるため、間違えることなく正確に行う必要があります。

2-3.融資審査

銀行に融資の申請を行うと、融資対象としての適性審査が行われます。
その際銀行から、決算書、経営計画書、履歴事項証明書、資金使途資料、月次試算表、資金繰計画表、銀行取引一覧表、今後の損益計算書、予想貸借貸借表、納税証明書の提出が求められます。
決算書が欠けると融資を受けることができないため、正確に作成しておく必要があります。

3.決算書の作成方法

企業経営において決算書が果たす役割は非常に大きく、多くの人が閲覧するため、間違いのないように正確に作成を進める必要があります。
企業の決算書は一体どのようにして作成するのでしょうか。
ここでは決算書の作成に必要な書類や具体的な作成手順を解説します。

3-1.作成に必要な書類

企業はその事業年度における決算書を作成するためには、複数の書類を用意する必要があります。
1年間のあらゆる取引の内容やそこで発生した支出、納めた税金などの記録を詳細に吟味して、正しい決算書を作成する必要があるためです。
ここからは決算書の作成に必要な書類を紹介します。

  • ●総勘定元帳
    企業におけるすべての取引や経理処理を科目ごとに記載した元帳であり、主要簿と呼ばれています。7年間の保管義務があります。
  • ●領収書綴り
    経費として支出したものに対する領収書を日付の順番通りに綴じた書類です。7年間の保管義務があります。
  • ●勘定科目明細書
    主だった勘定科目に応じた収支を細かく記載します。
    企業経営における勘定科目の動きを表すものとなります。
  • ●法人税申告書
    財務諸表をまとめた決算報告書、勘定科目明細書、各種法人税確定申告書をまとめた書類です。
  • ●消費税申告書
    消費税や地方消費税の申告の際に必要な書類です。
    一般課税か簡易課税かによって提出する書類が変わります。
  • ●法人事業概況説明書
    法人の具体的な事業内容や取引状況、経理状況などを説明した書類です。
    確定申告書に添付する義務があります。
  • ●税務代理権限証書
    各種申請書の作成や税務調査の立会いなど税理士に代行依頼したことを証明する書面です。
  • ●地方税申告書
    法人事業税や法印住民税を申告するための書類として、管轄の都道府県に提出するものとなります。

3-2.手順

企業の取引規模が大きくなるほど、決算書の中に記載する分量は多くなります。

決算書を作成する時間も長くかかることから、決算書を作る際には全体の流れを事前に把握し、順番通りに作成することがスムーズに作成するための大切なポイントです。

一般的に以下の順番で決算書が作成されます。

  • ①必要な資料を揃える
  • ②決算残高を確定する
  • ③財務諸表を作成する
  • ④各種申告書を作成する
  • ⑤株主総会で必要な書類を作成する
  • ⑥確認作業
  • ⑦株主総会で報告する

ここではそれぞれの段階を具体的に解説します。

  • ①必要な資料を揃える
    決算書を作成するために、領収書をはじめとした会計に関する資料を揃える必要があります。
    伝票や請求書などの資料、事業年度の会計データを集めておきましょう。
  • ②決算残高を確定する
    用意した資料をもとに、会計ソフトを使い減価償却や期末棚卸しなど、事業年度の決算の整理を行います。
    通帳記載の残高と会計ソフトの数字を確認し、当該事業年度における決済残高を確定します。
  • ③財務諸表を作成する
    決済残高を確定したら、その数字をもとに貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を作成します。
  • ④各種申告書を作成する
    法人税申告書や地方税申告書など、税金申告の際に必要な書類を作成します。
    通常は顧問税理士に依頼して作成してもらいます。
  • ⑤株主総会で必要な書類を作成する
    事業年度が終了したら、3ヶ月以内に株主総会が開催されます。
    株主総会では企業の経営報告を行う必要があるため、開催までに必要な書類を作成します。
  • ⑥確認作業
    作成された決算書は取締役会や監査役に報告し、提携している会計事務所にて正しく作成されているかどうかのチェック作業が行われます。
  • ⑦株主総会で報告する
    確認作業を終えた決算書は、最終的に株主総会に提出され株主に報告されます。

まとめ

決算書の作成には膨大なデータが必要となります。
株主をはじめ、第三者へ報告する大切な資料であるため、内容に間違いがあってはいけません。
作成の際は事前に準備をしっかりと行い正確を期することが求められます。
しかし立ち上げたばかりの企業や成長途中にある中小企業の中には、決算書をきちんと作成できる社員が育っていないことがあり、作成業務が中途半端になる場合があるため注意が必要です。

状況によっては記帳代行サービスなどの外部サービスを使ってみることをおすすめします。役割を上手に分担することができれば業務の効率化に繋がり、安心して本業に打ち込めるになるでしょう。
今回の記事を参考にして、決算書作成の流れをしっかりと掴んでおきましょう。

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